2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ウラジーミル・ソローキン『愛』 亀山郁夫 訳

多少のネタバレあり。鬼才・天才・変態・モンスター・狂人と言われるソローキンの17作の短編集。ただのエログロだと思って読むべからず。あなたの深層心理が臓物の中から鷲掴みでひねり出される。 本作はロシアの作家ウラジーミル・ソローキン(現在はドイツ…

清水俊史『ブッダという男—初期仏典を読みとく』

ブッダ(お釈迦様)という人物を現代の倫理感でとらえることの危うさを知ることができ、無我と縁起の解説本として分かりやすい。 我々が普段お釈迦様と呼んでいるシャカ族の王子ガウタマ・シッダールタ(以下ブッダ)は現在より2600年ほど前に実在した人物で…